【まちれぽ新座】/Monthly JAZZ Selection Vol.23 B級ハッピージャズ


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ジャズ喫茶BUNCA

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【番外編】夏の名残りのB級ハッピージャズ祭り!!

Lionel Hampton「You Better Know It !!!」(1964)

Lionel Hampton / You Better Know It !!!(1964)
【 プレイヤー】
Lionel Hampton(via)、Clark Terry(tp)、Ben Webster(tenor sax)、Hank Jones(p)、
Milt Hinton(b)、Osie Johnson(ds)
【曲 目】
①Ring Dem Bells ②Vibraphone Blues ③Tempo’s Birthday
④Sweethearts on Parade ⑤Pick a Rib ⑥Trick or Treat ⑦Cute
⑧Swingle Jingle ⑨A Taste of Honey
(※2016年CD版より)

 お久しぶりです。みなさま、お元気でしょうか?
 最近ちょっとバタバタしていて、ジャズもあまり聴いていませんでした。聴いてもBGM程度。今日は休日で少し落ち着き、朝から久々にレコードな気分。かつて夢中になって集めていたレコードを引っ張り出して、かけています。今回はその中から、決して一流とは言い難いけれど、楽しいジャズばかりご紹介します。

 最初はライオネル・ハンプトンの“You Better Know It!!”(インパルス・1964年録音)です。ほら、もうジャズ喫茶バンカのマスターの渋い顔が見えます。「お前はそんなくだらないレコードを聴いているのか!他にいいのがたくさんあるだろう?」そう、おっしゃる通り。ジングルベルが普通に入っていて、商売っ気を感じます。音楽も実にお気楽。ハンプトンは歌まで歌い、同時に演奏しているヴィヴラフォンも実に楽しそうな鼻歌のようなフレーズの連続。“Mr. Ben!!”とハンプトンに呼ばれた元祖いぶし銀テナー、ベン・ウェブスターもいつになく楽しそうに朗々と楽器を歌わせています。ハンク・ジョーンズもいつものように品のいいバッキングで盛り上げる。いや、最高!

 それにしても、やっぱりレコードはいいですね。音に艶があって密度が濃く、ズンと臓腑に響いてきます。私の持っている上記のレコードは、ジャケはボロで磐はそこそこ。考えてみればこれ、50年以上前にプレスされたもの。それが手元にあるのは、なんだか感慨深い。うわっ、猫が来た!頼むからターンテーブルには乗らないでくれ!セーフ…三匹いるのです。なぜかジャズをかけると寄ってきます。

 気を取り直して、二枚目。バンキー・グリーンの“Testifyin’ Time”(アーゴ・1965年録音)。奏者もレーベルもB級の薫りがプンプンします。

シカゴのレーベルで、どこか漂う土の匂い。グリーンは洗練されない泥臭いところもありますがそれもまた魅力で、ここぞというところの突進力や、スコーンと抜けた陽気さもよいです。一時プレイヤーとしては第一線を退きジャズを教えていたそうですが、2000年頭くらいに突如復活し、ぴちぴちの若手曲者ジャズマンと丁々発止の前衛ジャズをやっていて驚きました。さて、作品を聴きましょう。1トランペット、2サックスがフロントですが、荒々しく分厚くて、まるでビッグバンドのよう。旨味たっぷりのアレンジ。そして、古き良き時代を感じる極上のハッピージャズ!知らないピアニストですが、これが盛り上げ上手!ブロックコードを叩きつけ、ブギウギのような奏法でガンガンいきます。バンキーも艶やかな音色で、縦横無尽に駆け巡ります。「グリーン・ドルフィン・ストリート」が意外にも好演。緊迫感のある印象的な前奏の後、うねりまくるグリーンのサックスが熱気に満ちています。

 最後は、私がジャズを聴き始めたころ、たまたま訪れた水戸のジャズ喫茶で、マスターがかけてくれた“Very Saxy”。タイトルからしてエンドレスな夜の宴の香りがします。シャーリー・スコットのご機嫌なオルガンの上を、錚々たるテナーの重鎮たちが実に楽しそうにアンサンブルを奏で、時にはチェイスしたり、バトルする。この手のジャズが実は大好物の私としては、もうたまりません。

 これらはCDにもなっていますが、出来ればレコードで、しかも爆音で聴きたいものです。ジャズ喫茶バンカに私のレコードを持ち込みますので(最後の作品以外は盤質イマイチですが…)、ぜひ聴いてみてください!きっと幸せな気分になりますよ♪

(文:S. Nakamori)

もっと聴いてみよう!B級ハッピージャズ

Bunky Green
Testifyin’ Time(1965)
新座市Jazz
男気あふれるアルトに惚れ惚れ!
熱いです!

Eddie “Lockjaw” Davis
Very Saxy(1959)

オルガンの上を滑る楽しいテナー!
時には白熱のチェイスやバトルも!

Victor Feldman
Latinsville! (1960

ラテンものも忘れちゃいけません!
西海岸白人達によるキューバンジャズ祭り!

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